戦慄の裏マナー

第16話 戦慄の裏マナー

 『アーンギル』の殲滅を方針とした事から、戦闘は激化した。

 そして、誰かが叫ぶ。

「北海道を戦場としている限り、勝てないぞ!」

 ――と。

 地方で暗躍する『アーンギル』は、倒しても倒しても次から次へと湧いて来た。

 その分、犠牲となる若い女性が。

 業を煮やした一部の『クルセイダー』が、『北方四島に攻め込むぞ!』と云った。

 それに同調する者、多数。

 肝心のブレーキ役の隼那は。

「やらかすつもりなら、モスクワを攻めて、火の海に沈めなさい!」

 ――等と、煽る一方だった。

 北海道は、断じて譲る訳にはいかない。

 その覚悟が、決死隊の結成を促した。

「なぁ。アイツラがレイプしていた、って事は、露の女をレイプしても文句言えねぇってことだろ?もし、戦いに勝ったとするならば」

 誰かが、そんな危険な思想を持ち出した。

 男性陣は唾を飲み、女性陣は若干引くものの、反論は出なかった。

「宇でも散々やらかしてるんだ、奴らは。

 目には目を!歯には歯を!レイプにはレイプを!だ!」

 ソレを言い出した者は、織田 信長だった。親が恐れを知らず、そう名付けたのだ。

「折角だから、レイプの裏マナーに従おうぜ!レイピストの最低限の理性として!」

 言葉が通じない件に関してだが、サイコソフトの発明によって、人間の脳が認知する絶対言語『Ωオメガ言語』が存在しており、ソレの通じない人間は、そもそも言葉の通じない人間だけだ。

 露人は『レイプの裏マナー』と云うのを知らず、若い女性はそのおぞましさに戦慄せんりつするのだった。

 尚、自分で気付いた人以外には、『レイプの裏マナー』は教えられない。

 気付いた時には、その悍ましさに戦慄することだろう。