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第3話 新作

 隼那は、帰って直ぐに、『Gungnir』の回収の成功を『クルセイダー』の皆に報告した。

「で?噂の新作が、何だって?」

 隼那は、部下の報告を待った。

「『Excaliburエクスカリバー』。近接専用ですが、六代目『AEgis』が通用しないそうです」

「で、七代目で防げるかの試験、って訳?」

「はい。

 そして、『Gungnir』も『Excalibur』も、その余りの威力の高さ故に、二代目を開発される事無く終える予定であるそうです。

 『AEgis』は九代目の開発途上にあるそうです」

「八代目は試したの?」

「入手困難の為、現在、必死で探し出しております!」

 隼那は、一度息を吐いた。

「『Excalibur』のソフトと使い手の確保は出来ているの?」

「七代目『AEgis』との複合ソフト、『Alexanderアレキサンダー』を用意し、恭次さんが使える模様です!」

「そう。それは良かったわ。

 ――で、肝心の恭次は何処に行ったの?!」

 その『クルセイダー』専用の喫茶店、『エルサレム』には、恭次の姿も、恭次の居場所を知る者も居なかった。

「――判ったわ。居場所は見当がつく。『Alexander』を渡して頂戴」

「『Athene』と逆で、男性専用となっていますので、ソケットには差し込まないようにお願いします」

「あー、やっぱり、その弊害へいがい出ちゃったんだ。

 了解。――頂戴。試しに行ってくるわ」

「はい、どうぞ!」

 隼那は『Alexander』を受け取ると、『Gungnir』を手渡し、「厳重に保管しておいて頂戴」と言葉を添えると、出発――の前に。

「マスター、ミニパフェ三つ!チョコとイチゴとバナナ!」

 超能力を使うのは、とても疲れる。主に脳が。

 なので、その疲労を回復させる為に、ミニパフェを三つ注文したのだ。因みにこの『エルサレム』の名物メニューだった。

 呑気なように思えるが、サイキックーー超能力の使い手――にとっては、時として致命的な問題に繋がる。

 だから、必要があっての栄養補給なのだった。

「ご馳走様!」

 隼那はソレラを一気に食べると、頭痛も気にせず、テレポートで去った。

 行き先は、隼那にしか分からなかった。