第53話 塩を贈る
過去のアカシックレコードの見方は、夢の中で、地球さんに直径5センチメートルになって貰う事をお願いして、それが果たされた時、地球の歴史を逆回しで見る事が出来る。
未来のアカシックレコードは、ヨゲンの類によって『理に適った思い込み』によって見る事が出来る。
この、ヨゲンの類と云う奴が厄介で、柱(クリエイター)が作った全ての作品が影響する恐れが、非常に強い。
そして、プロのクリエイターでも、世界の寿命と引き換えに儲けている作品が沢山ある。
逆に、世界の寿命を延ばそうとするプロのクリエイターの作品も存在しているが、比較的、少ないと言わざるを得ない。
否、物語の中では、ハッピーエンドに終わっている作品も多いが、ハッピーエンドへと導ける人材が、果たして現実にどれだけいるのかと云う話になってしまう。
結果論、ハッピーエンドへと導く主人公の不在によって、世界の寿命は縮んでいると言わざるを得ない。
だが、悲観する勿れ。最悪の事態を想定して準備していた場合、最悪の事態が回避された時に困ることになってしまう。
要するは、皆、希望を持てと云う話だが、そう云う俺自身が、世界に希望を見出せていない。
つまりは、ソレこそが手遅れの原因と云う訳か。
過去の没作品の良いところだけを抽出して、凝縮して、装飾して……。
うん。出来るかも知れない。
でも、その前に終わらせなければならない作品がある。
アイツは、2026年問題と戦い終えた。
だが俺は、まだまだこれからだ。
俺の戦いは、リアルタイムで進行している。
少なくとも2026年を無事に過ぎなければ、俺の戦いは終わらない。
奴に至っては、本物の戦争を起こして戦っている。
ソイツに関しては、コロナか脳の血管をプッチンして亡くなって欲しいと思っているのだが、怒りは収まったのだろうか?
コロナに関しては鬼の第9波が押し寄せているようだし、恐らくは第13波から第18波に至るまでに終息すると予想しているが。
しかし、音楽と云うものは、魔界の娯楽であるだけあって、所々に嫌な曲が混じっている。
……ん?関係無い話だと?!
そんな訳があるか!カードゲームのフレーバーテキストすら現実に影響を与えている現在、言論の自由はある程度取り締まらなければならない筈だ。
否、最低限の取り締まりはされているのだ。だが、それでもまだ、自由が過ぎる。
皆が一生懸命積み上げて来た、世界の破滅へと至る道。
最早、ソレを回避する努力は『大きなお世話』なのかも知れない。
それでも俺は足掻く!それが邪魔ならば、殺すが良い!
どうせ、こんな老い衰えて儘ならないこの身。失っても惜しくは無い!
それでも、生きていれば何かいいことがあるかも知れないから、俺は自分で自分を殺しはしない!生きられる限り生き抜いてやる!
その為のエネルギーも頂いた。例え一発屋で終わったとしても、ひと花咲かせてやる!
それでもひと花咲かせることをも許さぬと言うのなら、『Lanaに塩』を贈る!
かつて、上杉謙信も使ったこの呪式、舐めるなら舐めよ!
よく効くことであろう。だが、本当に贈るのならば、ちょっといい塩にせねばな。
メンドクサいものよ。だが、本気ならば本気を見せねばな。
ただ、女性は勘が鋭いので、気付かれて拒まれる可能性も考慮に入れねば。
全く、ただ只管にメンドクサいものである。