本望

第49話 本望

 皆さんは、『結果』ばかりを考えてはいないだろうか?

 大事なのは、『過程』である。『結果』は、オマケ程度のものだ。

 それに、人にとっての結果とは、『死』の事である。

 それも、『生命の死』であり、それまでの全ては『過程』である。

 皆、冷静になれよ。

 目の前の利益に目が眩み、法に反するのは、結局損をするだけだぜ?

 まぁ、俺も危ういところで正しく確信犯になってしまったが為に、ルールに反する事に敏感になっているが。

 損して得取れ?『徳』も積んでいないのに、犯罪に走って、得するなんて本気で思っているのか?

 警察をナメ過ぎでは無いか?!

 菊の御紋をナメてはいけない。単独では、最強の御紋だ。

 名刀『菊一文字』ともある。

 俺は、逆に妖刀『村正』をナメていた。

 アレは、『松』の家系に対する妖刀だ。命すら、奪われかねぬ。

 『徳川家』に対する呪いの妖刀だと?!『徳川家』は元々、『松』の宗家『松平家』だ!!

 しかし、『徳川(徳側)家』とは、良く名付けたものだ。

 江戸時代の250年以上に渡る平和な時代は、その命名に依るものなのかも知れない。

 そう、昔は、今より遥かに簡単に姓名が変えられたから、今より遥かに簡単に縁起を良く出来たのだ。

 現代ではどうだろう?手続きをせねばならない上に、正当な理由が無くちゃいけない。

 否、ペンネームと云う形なら、もっと簡単に変えられる。

 自分のペンネームを改める、か……。

 本気で検討せねばなるまいな。

 でも、今のペンネームも本気で検討して名付けたペンネームなのだ。

 だけど、俺は最悪の想定をしょっちゅうしている。

 悪い予想の96%は起きないと云うが、100個想定したら、4つは当たるのだ。

 しかし――そうだな。確率を超越する人と云うのは得てして居る者であるし、俺が例え1000個の悪い予想をしても、その内1つか2つしか当たらないかも知れない。

 で、あるとすると、公開処刑や暗殺も回避出来るかも知れない。

 その代わり、空を飛べる位の自由を手にしなければならないかも知れない。

 その為には、幾つか手段があるが、身一つで空を飛ぶなら、『トランポリン』は短時間と言えど、空を飛ぶ手段かも知れない。

 俺は、学校で教室の出入り口を利用して、足が戸口に触れていたものの、『トランポリン』よりも長時間、宙に浮いていた事があるが、今の自分の体重でソレをするのは無理だろう。

 何をするのにも、『理』が無ければ、何事も起こせないのだ。

 自由を求めるのも結構だが、『理』を学ばねば、引き起こせる事には限界がある。

 そして、人類は『理』を定め続けた。

 だから、人類の『終わり』を定める『理』には、逆らわなければいけない。

 そもそもが、物理法則の殆どが定められていない時に定めたのが、『人類の終末予言』である。

 物理法則にガッチガチに定められたこの世界が、今更、イ〇ス=キ〇〇トやお釈〇様の再誕を果たすのか、甚だ疑問である。

 そして、俺は伴侶を得る事も最早無いだろうと思っている。

 惜しかった。経済力があれば、未だイケた。

 でも、そもそもが外見で弾かれるだろう。

 俺は、ワザと太って、太り過ぎて後悔した。

 あと10キロ少ない予定だった。

 何故?ソレは、俺の元カノが、俺のツラだけで判断して俺と付き合ったからだ。

 見た目で判断する女など要らない。本気でそう思った。

 恐らく、今生ではそれっきりでお終いだろう。

 俺は、死神としては失格の死神候補生だった。だけど、死神の能力としては、人の死期が判らないだけで、能力は優秀だった。

 コロナ禍は沢山の死者が出た。開始時期も、西暦2000年に誕生し、西暦2020年までに卒業予定の、優秀な期の死神候補生たちの中の一人の物語と一致した。

 ソレをネット上で公開したのが西暦2020年の始まりより少し前。コロナ禍の始まりと共に、危険性を感じて削除した。

 やはり、俺は気付くのがワンテンポ遅い。男ならではの鈍さだ。

 でも、コロナ禍は他にも原因が多数ある事を、俺は知っている。

 そして、コンピューターウィルスの全てが駆逐されなければ、コロナ禍が終わらない事も知っている。

 但し、ウィルスに対する知識が遺失してしまわない為にも、ウィルスに関する情報は挙げておかなければならない。

 誰が悪いのか?俺をイジメ過ぎた、周りの皆全てだろう!

 でなければ、サタンとして『柱』となる事も無く、世界に対して、こんなに強い影響力を得る事も無かっただろう。

 否、むしろ、イジメた側もサタンではあるまいか?!だとするならば、日本にはサタンが余りにも多過ぎる!

 だとするならば、イジメた側のサタンが恐ろしいのは、よく判る。『世界』すらもイジメかねぬからだ!

 ああ、そうであるならば、帳尻が合うな。イジメられた側だけが『呪い』を受けるのでは、たまったものではない!

 少なくとも、あの6人の内、4人は怒り狂っていた。サタンである事は確定だ。

 但し、その4人の名字に使われている文字の入った名前の者は、俺との相性が良くない。下の名前なんて覚えているものかよ!

 6人全員となると、人付き合いなど出来たものではない。4人でも、かなり厳しいのに。

 サタンへのトリガーは、『イジメ』と『怒り狂う』こと。特に『怒り狂う』ことは、サタンが司る7つの大罪が『憤怒』だけに、かなりのキーポイントだ。

 そうなると、俺の眼鏡を壊したアイツも、サタンだな。

 サタンにならぬ方法は、ただ一つ。慈悲の心を持つこと。

 だとするならば、ああ、あの人は、本当に天使の化身だったんだな。

 勿体無い事をした。

 でも、きっと結婚して幸せに生きていてくれるだろう。

 それだけでも、俺は、本望だ!