艱難辛苦の7年

第46話 艱難辛苦の7年

 そもそもが、『歴史は繰り返す』から悪いのだ。

 だけど、時間軸が『無限大多重螺旋構造』を保っていなければ、終わりまで一直線だ。

 でも、ソコに『超弦理論』として『10次元の輪』と云う概念を作ったから、世界の寿命は短くなった。

 時間軸も、『10次元多重螺旋構造』として成り立ってしまった。世界的にはソッチの方が有力な説であるから、世界の成り立ちは其方そちらの方に従う可能性が高い。

 もっと言えば、歴史上、最も世界の寿命を縮めたのは、『ノ〇ト〇ダ〇ス』である。

 『1999年』は、韻を踏んだとの説もあるが、世界の終わりを意識させるには、十分過ぎる効果をもたらした。

 故に、その後の最初の『丙午ひのえうま』である西暦2026年は、人々が何となく不安を感じるのに十分な縁起の悪さだろう。

 だが、ちょっと待って欲しい。

 その、不安になる気持ちから世界の成り立ちが不安定になり、いては、大地の成り立ちも不安定になる。

 故に、大地震が予想される。

 と云うか、統計データから、南海トラフ地震が近いうちに予想され、ソコに例え『夢のお告げ』であっても、大地震のヨゲンをしてしまったら……。

 信じる人数に比例して、大地震の起こる確率も高くなる。

 俺は、過去のアカシックレコードの見方を、夢の中でではあるが、知ってしまった。

 次は未来のアカシックレコードの見方をと考えていたが、その前に、この世界の成り立ちを知ってしまった。

 世界は、『理に適った「思い込み」に従って、信じた人数に比例して、ヨゲンされた内容を実現する』と云う形で成り立っている可能性が高い。

 ソコに、俺がミスをした。

 世界的に大規模かつ強力な風邪の流行をヨゲンしてしまった。

 当然、ソレを作った〇国の責任も重い。

 そして、世界樹とリンクしていた俺に『殺気』を向けたベルゼブブの魔女の責任も重い。

 更に俺はミスをしている。

 西暦2000年生まれ、2020年卒業の『優秀な死神』の物語を、ネット上で公開してしまった。

 結果、2019年の終わりから2020年頃が始まりの、『コロナ禍』の発生である。

 しかも、イ〇ス=キ〇〇トは、サタンたる俺に責任を負わせることを、ヨゲンにて行っている。

 ――即ち、艱難辛苦かんなんしんくの7年の後の、自らの再誕をだ。

 もっと言えば、その子は同時にお釈〇様の再誕である可能性も高い。

 どちらも、世界の終わりと自らの再誕をヨゲンしていると云う意味では、共通している。

 そして、その情報を放ち始めたからだろう、それ以上の情報は入ってこない。

 偶に、それとなく重要な情報を感知するが、俺は鈍い。一度で全てを悟る事など出来ない。

 勘違いも多数ある。

 むしろ、勘違いの方が重要だ。

 開けてはいけない扉も、一度ならず開けた。

 今更、赦してなど要らない。

 ただ、前向きに生きられれば、それでいい。

 最期が公開処刑だろうが暗殺だろうが、別に構わない。

 ただ、平穏に生きられる世の中を、あと60年強、維持して欲しい。

 60年後の事は、その当時の人に託す。

 ――と云うか、暗殺も公開処刑も無かったら、あと60年生きている可能性は、僅かにあるんだな……。

 だが、体力的に厳しいだろう。今ですら、老い・衰えを感じるし、『呪い』の効力もあるんだろうが。

 ――あと10年弱で、『呪い』からの解放のきざし?

 そう云えば、『サタン』を畏れる余り、宗教に走って、経済的にイジメられて、『サタン』と化す可能性に気付いている者は如何程いかほど居るだろうか?

 ヨゲンがその通りに起こったからと云って、宗教を信仰するなど、社会的・経済的・精神的、場合によっては生命的にも、イジメられる可能性に気付かぬと、気付いた時には手遅れかも知れぬぞ?

 悪いヨゲンを言い渡されたら、相手に対して悪いヨゲンをすれば良いのだ。イジメへの正当防衛。悪いヨゲンをするならば、その位の反撃は覚悟の上だろう?

 俺は、『殺す』とヨゲンされ、死にかけたが、アイツらの手で直に殺された訳では無い。

 だから、恐らく暗殺に来ると考えている。

 今度こそ、生命的に死ぬだろう。

 ソコから蘇れば、人々は俺を畏れ、信じてくれるのだろうか?

 ――判らない。

 ただ、俺はこれだけは言える。

 俺が、無条件に皆を信じる事は無いと云う事だ。

 俺が止めていた、『笑う』事への封印を解いたあの子も、より苦しいイジメに導く為の手筋だった……!

 俺は、世界に嫌われ者が足りないから作られたと云う説もある。

 成る程、サタンは世界一の嫌われ者か。

 これからもイジメられ続けて生きなければならないのだろうか?

 もしもその時には、世界を怨嗟えんさして死ぬことだろう。

 成る程、故に、俺が死ぬ日には世界の何処かで大災害が起きるのか。

 俺は一人、得心がいった。