第31話 打ち上げ花火
卯辰がグッドエンドを迎えられるとしたら、どのような可能性に依るものだろうか?
まず、3カ月限りでもいいから、恋人を得る。
多分、それ以上の時間は、相手の方が付き合いに飽きる可能性が高い。
もしも、俺が結婚まで至る事があったのならば、俺は嬉しすぎて泣く。
恐らくは、一冊でもいいから、作品を出版して重版が掛かる程に売れる必要があるだろう。
一発屋で終わるのは、最悪の可能性じゃなく、かなりベターなエンディングだ。
一発で終わらないのならば、ソレはかなりベストに近い。
恐らくは、一本限りを、延々と書いていく必要があるだろう。
ならば、蛇足をずっと続けていくしかない。
ああ……竜頭蛇尾って、こう云う意味だったのか……。
てっきり、蛇年生まれのサタンが誕生すると云う意味だと思っていた。
だから、危うい人に警告を出したりもした。
因みに、この作品をと云う意味ではない。
作家生命を賭けた作品が、一本あるのだ。今は趣味として。
もうすぐ、蛇足に入る予定だ。
やはり、『継続は力也』なのだ。
コチラは逆に、蛇足に入ってから、余計な情報を明かし過ぎた。
『世界が終わりを迎えるかも知れない』なんて情報は、自暴自棄に走る輩が増えるだけであるが、彼らはもしもこの世が終わりを迎える事が無いのだったら、どうするつもりだろうか?
俺は1999年に世界が終わるかも知れないと云う情報を得て、諦めていた結果、後悔した。
やはり、世界が終わる前提で考えて行動を起こすのは間違っているのだ。
皆も思っているのだろう?『何故コイツはサタンであることを公開するのか』と。
七大魔王は、世界では聖人とされている人間のヨゲンによって生まれた犠牲者なのだ。
犠牲者同士、仲良くしていた時期もある。
だからと云って、バッドエンドはお断りだ!
俺から見て、ベルゼブブは凄まじく悍ましい存在だ。
だが、ある時、俺はベルゼブブに塩を贈ってしまったのだ。
文字通りに『塩』を贈れたのならば、まだ良かった。
だが、俺が贈った『塩』は、情報収集能力だ。
打つ手が無い。
仮に手を打ったとして、直接的な殺人は犯罪であるので、やりたくはない。
まぁ、二度と会うことは無いだろう。
それだけで、十分としておこう。
そして、俺はグッドエンドを目指して頑張ろう!
ベストエンドが望ましかったが、そんな可能性を、神は俺に許してくれなかった。
だから、せめてグッドエンドを!
まぁ、本当に俺の理想とするルートを歩めるなら、遠回りすら必要だったベストエンドと呼べるかも知れない。
どの道、フグの養殖より難易度は高いのだ。
一発屋で十分です!
だから、『Lana』。俺に一つだけでいいから、成功の可能性を与えてくれよ。
さすれば、俺も『Lana』を恨まない。
それで『Win-Win』の関係で済ませるのは、妥協出来ないか?俺は、パートナーとして『Lana』を望まないから。
と云うか、『Lana』は既婚者じゃなかったか?俺は不倫など望みはしない。断固として断る!
ああ、大きな花火を一つ、打ち上げたいなぁ~♪