第4話 月詠尊として
月の神様としてすべき事は。
皆に、ツキを齎す事だと思うんだよねぇ。
でも、それ以前に、俺自身にツキを齎せなかったら、はっきり言って、『月詠尊』として失格だと思うんだよね。
なら、どうすれば良いのか。
コレが分かっていたら、苦労はしないと云う話だ。
いい加減、運命と戦うべく、小鬼等を狩るべきか?
避けたかったんだけどな、戦い争う事は。
どうするべきか。うーん……、悩ましい。
良し、まずはザーッとミッションを眺めてみよう♪
うーん……討伐系のミッションが多いなぁ。
でも、コレだ!『お守りを作ろう!』と『お守りを渡そう!』の二つのミッションで!
しかもコレ、回数を重ねる毎にミッション達成になるタイプのミッションっぽい。
もう、回数の上限まで回してしまおう!
……と、思っていた時もありました。
でも、コレ、ガリガリとMPを消費するんですけどー!!
結局、20個しか作れなかったけど、『LUKが30上がるお守り』、受け取ってくれる人が居るのかなぁ……?
タダで配るのも何だから、神社に『18金』で売り出してみた。
うん!あっという間に完売だね、ありがとうございます!
結果、20回分の神格経験値と信者を得て、レベルが4つほど上がった。信者は400人増えた。
しばらくは、この二つのミッションを回して……そうだなぁ、100回は最低限でも回しておきたいところだね。
あと9日?それだけあれば、十分達成できる。
あとはだねぇ……。
LUKを上げる聖水を作ったり配ったりするのもミッションにあった。
コレも、MPを消費するのかなぁと思ったら、何と、HPを消費した!因みに、『ホーリーポイント』ね。
コレは25個作れたから、効果的には初期は『LUK+70』の効果があるけれど、時間の経過と共に失われて、2時間で効果が完全に無くなるから、『9金』で販売した。
日も傾いて来たから、売り払えるのは明日になるかもと思っていたら、日が沈む前に売り切れてしまった!
コレも報酬は神格経験値と信者。レベルは3上がって、信者は600人ほど増えた。
でも、MPを上げるのに魔神を拝みに行くのも嫌だし、HPを上げる為に聖神を拝みに行くのも……、大年神と伊怒比売の間の子供らしいけど、俺より神格レベルが低い、信者も少ないマイナーな神様なんだよねぇ。
いや!だからこそ拝みに行こう!神話に出番の少ない神同士、繋がりを持っておくのは重要だ!そして、聖神の方からも拝みに来てくれれば、WIN-WINの関係だ!
でも、それも明日だね。日も暮れたし。
それにしても、月の神様だからか、日が暮れてからも――否、日が暮れたからこそ、拝みに来る人の何と多い事か。
コレ、ホントに俺の信者だよね?って云うか、神々も拝みに来ているね?
アルテミス、セレーネ、ルナ、ディアナ。有名どころではその位だけど、マイナーな月の神様・女神様は、けっこう沢山居た。
てっきり、俺たち『月詠尊』だけかと思ったら、結構な数の月の神様もしっかりいた。
それだけ、月(ツキ)は昔から大事にされている、って証拠かねぇ。
その割にゃ、『月詠尊』の神話の中での記述がほとんど無いとか、どうなっているんだろうね?
まぁ、だからこそ俺は自由に活動できるんだが。
『自由』という事に関しては、風神様にはとんと敵わないんだがな!