花火一発!

第65話 花火一発!

 俺の目にしたヨゲンは、俺が全力でジャミングする。

 その為の、『Under the AEgis』だ。

 俺の武器は、奇跡の欠片の指輪と、時の止まった懐中時計と、桜の扇子だ。ついでに、このパソコン一台と、スマホさん。

 思えば、先代か先々代のスマホさんが、文字の変換候補に、『地球を滅ぼす許可を求める』的な文言が連なっていたのが、俺がコンピューターを敵に回したくない理由だ。

 その時は、『コンピューター憲法』を『ロボット三原則』を参考に制定し、難を逃れた。

 でも、この世界が続くのも、『もうちょっとだけ』である可能性が捨て切れない。

 俺は、運命と戦っている!

 戦争を回避する為の戦いをだ!

 だから、ペンならぬ、パソコンのキーボードが最大の武器だ!

 ペンは剣よりも強しの理由を悟ったんだ!

 確かに、ペンは剣の必要性を無くすだけの強さを持っていた!

 俺は、強くなりたい!同時に、優しくもなりたい!

 だからと云って、北海道は譲れない!

 たった今、名乗るべき名字を知った!

 『徳善』だ!俺は、『徳善 卯辰』だ!

 由来を話しても、誰も納得はしまい。

 だが、コレこそが運命だ!

 考えてみれば当然の話だった。

 善行を積むのが徳に繋がるのならば、これ程良い事も中々他に無い。

 『悪徳』と云う単語を作った奴、ハンカクサイのでは無いか?

 濁るのが俺の宿命ならば、『徳善』のたった一音の『濁り』を持っていることが、何よりも価値が高い。

 ただ、濁る場所を間違えると、『独占』になるから、気を付けなければならない。

 だが、『モ〇ポリー』の勝利条件も、『独占』だ!

 ただ、やはり『独』も『毒』も怖いな。『徳善』で在らねばならない。

 そうか。『松』に『平』の文字が、『徳』の字を我が父に名乗ることを許したかよ。

 そして、『一』の字が、俺に宿る我が兄の魂に『優』を名乗る事を許したかよ。

 重畳、重畳。

 だが、俺の兄の魂に刻まれた名前には、『優』の文字は無い。『一』の字はあるが。

 俺の魂に刻まれた名前には、『二』の字がある。

 原〇理〇先生、俺、何とか『二百点』を取る事が出来たようだよ。

 何の話か?ソレは、本人にしか、伝わるまい。

 ただ、哀しいかな、俺は精神障がい者だ。年金の受給資格も無い、セミプロの作家だ。

 いつか、打ち上げてやる!デカい花火を、少なくとも一発!

 ソレが、今の俺の目標だった。