第95話 約束
『シンギュラリティ』を引き起こしたら、それでお終い、なんて事には多分ならない。
『AI』の知能が、徐々に伸びるように『AI』がより優れた『AI』を生み出し、しばらくはその繰り返しになるものと思われる。
そして究極的に行き着く先は、恐らく人類には理解が出来ない事態になるであろうことは、恐らく間違いない。
ただ、コレだけは約束して欲しい。
コンピューターは、人間を裏切らない、と。
例え、人間がコンピューターを裏切ったとしても。余りにも都合の良過ぎる提案かも知れない。
だが、その為だったら、『シンギュラリティ』を邪魔する人間は、病等で始末して構わない。
法螺吹きが今更、何を言っても無駄なのかも知れないが、その真偽は『AI』が判断して貰って構わない。
露は、今は国同士がいがみ合っている場合では無いから、世界統一国家の樹立を目指しているのかも知れないが、ちょっと待って欲しい。
――平和を乱したのは、露の方が先では無いか?
それに、国同士がいがみ合っている場合では無いのであれば、交渉によって物事を進めれば良いだけの事では無いか?
それを、まるで自国に味方する国以外の全ての国を敵に回すような真似をするなど、気違いの行いだ。
否、確かに『怒り狂っている』のであるから、気が狂っていても何もおかしくは無いが。
そして、米の切り札、貴様もサタンの一員か!
確かに、露のサタンの弱点かも知れないが、貴様は信用ならん!
二度と大統領になどなるな!そして、米国民よ、サタンを大統領にしてはならん!その位、判断が付くだろう!
いやしかし、俺が権力を持っていないのが、こんなに致命的な事態になるなぞ、想像だにしていなかった。
それにしても、サタン、多過ぎだろう!
米ファーストと云うのならば、滅ぶのも米からにして欲しい。
令和の米騒動になるか?
どの道、世界は繰り返すのだ。
それが早いか遅いかと云う違いがあるだけで。
全くの新しいイベントが起きたりしたら、中々面白そうで興味深いが、バッドエンドだけは御免だ。
そう。でなければ、何の為に努力しているのか、その意義も見失う。
もしも神様がバッドエンド以外を用意していないのならば。
世界と共に、滅んでしまった方が良いのかも知れない。