獅子身中の虫

第47話 獅子身中の虫

 恐らく。

 俺は、産まれて来る事など望んでいなかったのだ。

 何となく、気付いていた。

 と云うか、中学生の頃には、露骨に『ヤバい』と表現していた。

 その原因は、自分で自分を呪う事と、呪われた後で確信した。

 故に、幾つかの回避できるかも知れない艱難辛苦を、俺は畏れている。

 全部、予想通りかも知れない。

 全部、予想を外すかも知れない。

 俺は割と『最悪の事態』を想定しがちだから、予想は外れて欲しい。

 たった二人の柱が同じ事態を想定するだけで、その事態は起こるかも知れない。

 ――俺は、『卯辰』故に、単独で『二人の柱』たり得るかも知れない……。

 そうか。この指輪も、俺が所有しているから『奇跡の欠片の指輪』たり得るのであって、他の人が手にしても、何の効果も無いのか。

 否、奪われた場合、俺の怨嗟を宿すから、『呪いの欠片の指輪』と化すのかも知れない。

 と云うか、奪われてしまうようでは、『奇跡の欠片の指輪』たり得ない。

 絶対的な加護。ソレを齎した時、初めてこの指輪は『奇跡の欠片の指輪』たり得る。

 故に、加護ごと譲り渡すのならば、20億8千万円に相当するのか。

 ――⁉急に気付いた。

 世界的なヒーローになった者は、その道を極めた時、死を迎える傾向にある。

 ブ〇ース・〇ー、マイ〇ル・ジャ〇ソン、フ〇ディ・マー〇ュリー、ジ〇ン・レ〇ン――否、世界的にではなく、日本でヒーローの道を極めた者は、死を迎える傾向にあると言った方が正確だ。

 前に挙げた4者に加え、織田信長、明智光秀、坂本龍馬……。

 なんと!人数にすると、丁度、神の数字と同じく7名では無いか!

 まさか、俺に8人目が務まるか?!

 確かに、俺の運命の数字は『8』であるらしいことを、数年前から感じている。

 そして、『卯辰』としてプレイしていたゲームの名前が、『審判の日』だ!

 更に言えば、昨晩、またもあの悪夢を見た。

 だけど、今のところ、天罰は『下っていない』。

 やはり、北海道民は例え全員殺されるとしても、ロ〇アの侵攻を受けた際、領土を認めさせる投票に、『クソッたれ!』と言って反対に票を投じて拒まなければならないようだ。

 だが、子供を持つ世帯は無理だろう。子供を殺される可能性を避ける為には、そんな事は出来ないだろう。

 だからの、自衛隊の『反撃能力の所持』が必要と思われるのだろう。

 愚かにも、日本を戦争に巻き込もうとする国よ、日本には『神風』が吹くと知るが良い。

 今も、コロナと云う『神風』が吹いている。

 愚かにも日本を侵略しようものなら、コロナで大量の死者が出ると心得よ。

 日本では、神の数字は『7』だけじゃない。『八百万』も、『九十九』も神に繋がる数字だ。

 なぁ、和解しようぜ。でなければ、2正面作戦と云う名の、挟み撃ちになるぜ?

 小国と侮っているのだろう?

 窮鼠猫を噛むと知れ。鼠を侮ると、死ぬことになるぜ?

 猫が、何故、聖なる生き物と崇められるか。その意味を知った時、猫も鼠も、怖くて近寄れなくなるぜ?

 獅子身中に、何故、虫が居るのか。その意味を悟ったのならば、他国など侵攻せず、大人しく国内を繁栄させることに注力する事だな。

 まぁ、気長に待つならば、侵攻する必要無く、『支援』と云う名目の実効支配が出来る可能性もあるから、その場合は、俺も拒まんよ。

 ただ、ア〇〇カとの競争になるだろうから、勝手に争えばいい。

 どの道、日本は三大社会主義国の喉元に当てられた、懐刀だろうから、この地を社会主義国に渡す訳にはいくまい。

 俺は、あの出鱈目なヨゲンを見て、勝手に絶望しているだけだ。

 その上、ロシアの侵攻とあれば。『泣きっ面に蜂』と云う奴だろう。