第50話 永劫の牢獄
さて。この話も、目標の折り返し地点にまで到達した。
皆さんは、『徳を積む』と云う事を、軽視し過ぎでは無いだろうか?
否、『皆さん』では無い。『殆どの犯罪者の方々』である。
現実で罰を与えられて裁かれるのは勿論、死後、『徳』を積んでいないと、どう云う目に合うのか、ご存知では無かろう。
俺の場合、巨大恒星の中心で概念の喪失まで焼き尽される。
今更徳を積んでも、ソレは変わらない。だが、『来世』がもしもあるとするならば、俺は今からでも『徳』を積む為に努力したい。
その為に、情報を開示している。
手遅れで無い皆さんが『サタン』となる事の無いよう、『サタン』と化す条件も記した。
サタンは『2番目に強い』が、常に『1番強い者』が他に居る。
故に、頂点を上り詰めるのは、『サタン』と化す前である必要がある。
よって、俺は成功し得ない。
判っている。『Lana』に煽られた時から。
余程、俺の事が憎いのだと思われる。
『不可説不可説転に一つも成功し得ない』と宣言させられた。
なのに、『Lana』の一角は、『今度こそホントに邪魔しません』等といけしゃあしゃあと宣っている。しかも、メッセージの受け取りは拒否して。
否、他の『Lana』で、俺の成功の芽を潰したい奴が居る事は判っている。原因もだ。
だからと云って、そこまでのレベルで成功の芽を潰すことは無いだろう。慈悲の心の一つも持たぬ奴だ。
知らんぞ?サタンに堕ちても。仮にも、魔界の住人なのだし。
10000回ダメで、と言っても、10001回目は違うなんて、そんな生易しいレベルじゃあない。
永劫の牢獄だ。
俺の亡き兄が、明智光秀の生まれ変わりなのは判っている。何せ、本当に『3日天下』だったのだから。
俺は何者だろう?俺に幸運は無い。但し、豪運はかなり強いものを持っている。
否、俺は『俺』だ。『僕』でも『私』でも『儂』でもある。
要するに、唯一無二の存在であろう。俺だけが例外であった例が多数覚えがある。
……まぁ、それを言い出してしまえば、誰だって唯一無二の存在だ。だけど、例外性が俺ほど高かった者を、俺は幸か不幸か知らない。
だけど、宇宙の成り立ちを考えた場合、俺位の例外性の高い人間は俺の他にも存在している筈なのだ。
なぁ。そうだよなぁ?そうだと言ってくれ!
――否、多分大丈夫だ。そうだと信じる。でも、疑う事も大事なんだ!
一抹の不安。恐らく、俺はそれから逃れる事は、もう一生2度と出来ない。
一番縁起の良いアラシ。それですらも、俺を不幸にする切っ掛けとなった。
でもまぁ、いざ向かい合ってみたら、自己犠牲の精神に基づいて、全ての大罪を引き受ける!とかって覚悟で立ち向かったから、仕方ないし自分のせいだと言われたら、その通りなんだよなぁ。
等と、俺は思うのである。