第69話 死ねば惨劇
『トラトラトラ』
日本では有名な暗号だ。
意味は、『我、奇襲に成功せり』だったと思う。
出来れば、この歴史は繰り返して欲しくない。
と云うか、『戦争』と云う歴史を繰り返して欲しくない。
軍事力で否応なく屈服させると云う手段が、原始的で野蛮だと、何故気付かないのだろう?
そんなに露の首相は『頭が悪い』のか?
否、『頭が悪い』のだろうな。『怒り狂った』のだから。
だが、まともに相手はしていられない。
雲竜としては、傷が癒えるまで、まだあと9年程を要するが、そんなに待ってはいられない!
『呪い』の解除法としては、『愛する者の口づけ』と云う方法もあるらしいが、今現在、愛する者は居ない。
むしろ、『愛すべき者』の候補者の今の本音は、『うすのろ魔抜け』であるらしいから、愛する事も馬鹿らしい。
『愛』のエネルギーは、あの『呪われた名の娘』による殺気に応じて、『コロナ禍』として全て奪い尽くされてしまったし。
うン?『呪われた名の娘』を愛すればいいのかと?そんな訳はあるまい。殺気を向けて来る娘に対して、『愛』なぞ注げない。
『愛』のエネルギーを失ったのであれば、人を愛す事など出来はしない。うん、その通りだ。
他の女性から、『愛』のエネルギーを注ぎこまれれば、ワンチャンス、あるかも知れないが、恐らくそんなワンチャンスは無い。
『呪われた名の娘』がもしも最後のワンチャンスなら、そんなチャンスは要らない。
何せ、『ベルゼブブの魔女』だ。花より団子を選んだ娘だ。敵対発言も放って来たし、赦した分だけでも感謝すべきとは思わないか?
否、やはり無視した方が良いのだ。
過去、幾度となく、暴力に対抗する夢を見て、自由が利かずに暴力を振るえなかった。
一度だけ、目覚める事で自由が利き、壁を殴って穴を空けた事があるのみだ。
思えば、失敗ばかりだった。
恐らくは、忘れた頃に虎列刺亜種はやって来る。
自覚者はコントロールが利く代わりに、限られた想像力でしか創作活動が出来ない。
無自覚者は、コントロールが利かない代わりに新しい発想が次々と出て来る。
恐らくは、自覚者の更に上位があって、その領域に届いている者が真に『プロ』と云える方々なのだろうが。
――まさか、露は自覚していて、尚且つ核を使う可能性も視野に入れて、『世界の全てが滅んで』もいいから、世界征服を狙っているのか?!
少なくとも、日本は狙われている。
だが、日本はサタン候補者が多数居る。そのひと柱ひと柱が誕生したり死ぬ度に、記録的大災害が起こるのは、恐らく間違いない。
だから、西暦2024年、辰年の元日に石川県で大震災があったのだから。
甲辰。壬辰の弱点だ。
だから、甲辰の弱点、丙辰の力をコントロールして、討とうと考えたのだろうが。
だからか。『火のX日間』なんて予言めいたアニメ映画が描かれたのは。
そもそもが、過去のヨゲン者が相当に酷いやらかしをやってしまっている。
『七つの大罪』は、百歩以上譲って、まぁ、仕方がない。だが、ソレに対応する魔王と云う概念を遺したのは、ダメだろう。
『恐怖の大王』の出現を、『西暦1999年』と定めたのも、相当にダメだ。ソレが、世紀の大予言者?確か、韻を踏む意味合いがあって定めた年と聞いているが。
でも、だからこそ、この世の行方はこの手に握られている。
ならば、予言してみよう。『世界は、西暦480万年頃に滅びる』、と。
当時の人にとっては、迷惑かも知れない。でも、その時にこの予言が残っていれば、『予言外し派』の者が必ず現れる。
その人が、恐らくまた終末時計から、世界の滅びの訪れを、もう少し先まで伸ばすのだろうが。
結局は、その繰り返しで世界の寿命を延ばしていくしか無いのだ。
そして、それにもいつか限界が来る。
だが、『滅せぬもののあるべきか』と、敦盛で歌われている。
それでも、『小宇宙の誕生』と云う可能性は、消える事は恐らく無い。
だから、『大宇宙の全ての完全なる滅び』は、決して来ないような気がする。
そもそも、『大宇宙の全ての完全なる滅び』が起こったところで、また無から『小宇宙』は誕生するのだ。
その為には、失敗に終わった過去の小宇宙の情報が、断片でもあった方が良い。
ならば、『大宇宙の全ての完全なる滅び』なぞ、起こさない方が良いだろう。
――ん?『全神様』の休憩の時間が無い?
今現在、仮死状態で休憩中では無いか?
だから、呪いが解ける『西暦2027年』から、『全神様』のお楽しみのお時間では無いか?
だからこそ、この世界はあと『約480万年』程の寿命が残っているのだと思う。
そして、この世界が終わったら、休憩を挟むのかどうかは定かでは無いが、次の世界の『お楽しみ』の時間がまた始まるのであろう。
出来れば、こんな悪趣味な悪夢の繰り返しは止めて欲しいが、『繰り返す悪夢』は自力で引いてきてしまっているのだよな。処分したが。
『地震』は、洒落にならないのか、自力で引いた事は無いが。
過去の自分に言いたい。『もっと早く自覚者になれ!』と。
――否、恐らく、宿っている魂のどれかには、自覚者が居たのであろうな、と思う。
色々試して、色々判った。
だが、だとしたら、『火のX日間』と云う核戦争の運命は、回避するのは相当に困難であろうな。
ただ、ソレを遅らせる事は十分可能に思われる。
――10月に出雲大社に行け、と云う事か?
否、それは相当に困難だ。
誰か、代理者が行って欲しい。出来れば、『柱』たる運命の持ち主に。
『宇宙船ノアの箱舟号』には、乗り込みを確認したし、僅かかも知れないが、後続者が乗り込む余地もあった気がするが。
――出来れば降りて、次の世界では存在して居たくない。
でも。アイツラが待っているのだよな。
だけど、アイツラが何者なのか、イマイチ判っていないのだ。
さあ、世界よ!滅ぶなら滅べよ!
結末が世界核大戦で終わるのならば、もういつ終わっても構わない!
少なくとも、露が日本、特に北海道を狙っている以上、コレ以上の戦争が続くのならば、確実に『世界』は滅ぶ!
仮初の『滅び』の後に、希望を見出せるのならば、暗殺だろうが公開処刑だろうが好きにしろよ!
だが、露首相。その先には、貴様の暗殺か公開処刑が待っていることを覚悟せよ!
覚悟が決まったならば、二正面作戦だろうが侵攻するなら好きにしろよ!
どの道、死んだら惨劇が待っていることを知っているから、その被害者の恨みが露首相を呪殺するだろうよ!
次期も同じ首相なら、悪夢が繰り返すのみだ。
ソコまで民が愚かなら、露など国ごと滅んでしまえ!
ソレを齎すのがお役目ならば、喜んで死のう!
そこそこ強く警告しておいた筈だがな。死ねば惨劇と云う宿命を。
回避の努力をしようと思ったら、ワザワザ殺す為に侵攻する可能性を示唆して来るとは、驚いたわ!
ならば、齎されろよ、惨劇を!