第46話 後日談
それからどうなったのかと言うと……。
俺はスピリットにて、めでたく準社員扱いで働く羽目に陥る事となった。
「何でこんな時間まで……」
スピリットには今、連日夜中の12時過ぎまで必死こいて働く、俺の姿がある。
更に言うのなら、俺がちょっとでも怠ければ、傍でにこやかに俺を眺めている降籏さんが、すぐさま美菜姉ちゃんに報せに行く算段となっている。
仕事に関しては、彼女は非常に厳しかった。
「もう少しで終わりますから、頑張って下さいね」
彼女の指には、ささやかに光る銀の指輪。
それは、美菜姉ちゃんの命令によって、大会の優勝賞金を使って購入させられたものだった。
「頑張ったら、就職まで面倒見てあげますから」
これ程の条件を整えられてしまうと、かえって辞退したくなるのが人情というものだが、そんな身勝手が通用する相手ではなかった。
「ずーっと一緒に働きましょうね」
畜生!あの極悪従姉め、いつか思い知らせてやるからなぁ!