第25話 希望だけを探して
俺の最期は、公開処刑らしい。そう、天界で示された。
何を言っているのかと思われかねないが、兎に角、そう示されたのである。
ただ、ソレはある意味、済んだ話である。
恐らくは、子を想う母の想いが、聖櫃すらも破壊して、解決した問題ではある。
もう一つの問題。『レ〇〇〇ト教』。
アレは一体、何だったのであろう?
フルネームを公開するのも、余りに悍ましくて控えることにする。
はっきり見えたのだ、病院の壁に。『公開処刑』の文字に続いて。
薬は5日間、飲んでいなかった。だから、『幻覚』だと言われれば、否定は出来ない。
その際に他に見た幻覚の中で、恐らくは亡き父だろう、俺を幸運に導こうとして必死になって可能性を探してくれたが、結局は見つからなかった。
要は思い込みの問題なので、どれを信じたら正しいとか、そういうものは存在しないのだ。諸説があり過ぎて。
俺には勝ち目が無い。そう云う事だろう。
だから、半分夢みたいな、あんな幻覚を見たのだろう。
プラスチックのリサイクルに、ド〇〇タ―〇や往年の歌手が関わっている、とか。
バイ菌の親子を合流させてやったりとか。
穢れを果てしなく広げて行ったり、とか。
十二支の神様のお祭りを見たり、とか。
何を言っているのか訳が分からないだろうが、見たのだ、その夢のような幻覚を。
そして、天使が二名脱走し、堕天使となった。
それにしても、西洋ではドラゴンは悪の象徴なのに、何故、ダンジョンズ&ドラゴンズが誕生したのか、極めて謎である。
アレか?ドラゴンが敵だから、許されると思ったのか?
日本では、龍――辰は水の神様である。
卯は――どうやら、木を司る性質のある神様のようである。
水暴走。その説を述べる度に、『水疱瘡じゃあるまいし』と馬鹿にされるが、現代、水暴走は洒落にならない災害ではないだろうか?
壬辰の暴走。ソレが原因ではあるまいかと思うが、誰も本気にはしない。
一人、不安を抱えて、卯辰は日々を過ごす。『希望』だけを探しながら。