宇治

第98話 宇治

 もしも、この世に存在する粒子が、『ナノマシン』的な存在なのだとしたら。

 それを統合的に制御するのが『全知全能神』なのだとしたら。

 『全知全能神』、俺をイジメた過ぎてたまらんのだろう。

 恐らくは、何処まで苦しめれば死ぬのかを試して居たりするのかも知れない。

 だが、恐らく意図的に殺そうとしなければ、滅多な事では死なぬと思うぞ?

 だから、そんな存在を『全知全能神』は『サタン』なぞと名付けたのだろうが。

 そして、どうやら領土を割譲しての宇と露の戦争の終結を迎えさせようとしているようだが。

 その前例を作ってしまうと、露は次々に他国に侵攻し、領土の割譲での和解を繰り返すぞ?

 それこそ、世界の全てを手中にするまで。

 ソレでいいのか、人類?

 少なくとも俺は、ソレでいいとは思わない。

 全人類は、一度は『ザ・ビートルズ』の『イマジン』を聞いて、その歌詞を噛み締めるべきなのだよ。

 恐らく、露はクリミア半島とソコに繋がる陸路が欲しいのだろうが、その陸路、宇の許可を貰って使うのはダメなのか?

 ああ、傲慢だから、頭を下げるのはプライドが許さないと云う訳かよ。

 だが、その陸路、もしも領土として奪われてしまったら、宇の攻撃の格好の的だぞ?

 日本には、こんな言葉がある。

『実る程、頭を垂れる稲穂かな』

 偉くなればなるほど、その頭を下げる事には価値があるのだよ。

 その頭を下げて、それでもダメなら、その時初めて、実力行使だろう。

 それも、軍事力の行使は最後の最後だろう。先ずは経済的制裁等から始めるべきであろう。

 戦争状態の停止の条件も、切り取った領土の、『99年間の租借』程度を落としどころとするのが良さそうであるし。

 ただ、その先に日本・特に北海道侵攻するつもりであれば、ずっとそうして戦っておれ!

 窮鼠猫を噛むと云う。干支の方の子は、『子子ねこ』を『子子しね』とすることで、反撃をする。

 故に、猫は鼠を舐めてはいけない。

 ――ん?猫がお嫌いなら、『負け犬』でいいのか?

 まぁ、自国の繁栄を諦めて他国の領土の切り取りをするのならば、例え戦争に勝っても、『負け犬』であろう。

 ソコを、『勝ち馬』に乗ろうとしているのか?馬鹿が!

 恐らく、『馬鹿の数字』は、正しくは、『17』であろうと考える。

 根拠は、が十二支の7番目、鹿が花札の10月であるから、足すと『17』になる。

 馬鹿が馬鹿にならんと云うのは知っている。言葉の綾の話だが。

 『戌』の運命に産まれし者も、『負け犬』にならぬよう、必死で努力を重ねる。

 その、努力する忍耐の強さこそが、『戌』の強さだ!

 『寅』は虎であるから強い、と言われるが、一方で、『辰』は『腹が立つ』ばかりで、群れて個人を攻撃するから、昔から俺は龍を呪った。

 そして、『辰』は十二支の5番目であるから、命を賭けるレベルの真剣勝負の運命の生まれだ。

 ――!そうか、露の首相は勝負に負けて命が失われるのが怖いから、譲歩しないのか!

 ならば尚のこと、領土の99年間の租借案に乗れば好かろうに。

 宇も、そろそろ潮時だ。むしろ、積極的に99年の租借案で決着を着ければ良さそうなものだが。

 戦争に勝利するには、軍事力の規模が違い過ぎたのだよ。

 ――待てよ。露は圧倒的軍事力を自信に、勝つ確信があったから戦争に臨んだのか?

 巫山戯ふざけるなよ!大真面目だと云うだろうが、そう云う問題では無いのだよ!

 そして?北海道も租借するつもりか?!絶対に嫌だね!

 行政の方も、アイヌと呼ばれる民族への待遇を改善したようだし、露に北海道侵攻の大義名分は無いぞ!

 ――ん?『宇治』?そうか、まずは宇の濁りを清めて、治すよう努力すべきか!

 ならば尚の事、『禁呪』は使う訳にはいかぬな。

 『ヴァルキリー部隊』による迎撃も、『ラグナロク』の可能性があるのならば最後の切り札として取っておかなければならない。

 故に、『ドラゴン部隊』が必要とか、もう切羽詰まっているではないか!

 それこそ、『コキュートス』の出番になるが、その場合、時間ごと凍り付いて、世界が一度滅んでしまうが、その『奥の手』を使わせて来るつもりか?

 やはり、キーはココに在った。そして、間もなく終わろうとしている。

 100話と云う約束を果たしたら、次はもっと本格的に世界観を練って、新しい世界の構築だ!

 その為には、今から準備を始めなければならない。

 と云うか、100話と云う約束を果たしているだけで、こんなものは小説では無い!ただの私文書、見方を変えれば、愚痴を連ねただけに過ぎない!

 もう、大分気が済んだ。次こそは、キチンとした小説と云う形に仕上げよう。

 プロットが必要だ。思えば、ソレをして来なかったから、これまで自信の持てる作品を書けていなかった。

 今話はココまでにして、次話の構想と、プロットを手掛けるべきだ。

 初めての試みである。十分に注意して進めたいものである。