第4話 保育園
隼那の行先は、とある保育園だった。
ソコで、恭次は二人の息子・緋神 総一郎を目で愛でていた。
「きょ~う~じ~⁉」
何かを責めるかの如く恭次の名を呼ぶ隼那は、呼んでも振り向かない恭次の首をグルンと自分の方に向けた。
「いたたたたたた!何をする?!」
「何をサボっているの?!
総一郎が見たかったから、なんて言い訳は通用しないからね!」
「そぅ……」
言いたかった事を隼那に先に言われて、恭次は戸惑った。
「……ゴメンナサイ」
「ちょっとひと気の無い所まで跳んで行こうかしら?」
「ハイ……」
隼那は恭次の肩に触れると、一緒にテレポートして、廃屋と化した元ラブホテルまでひとっ跳びした。
「まずは渡しておくわ、『Alexander』。装着して、『Excalibur』で私の『AEgis』を斬れるか、試してみて頂戴。
間違っても、私ごと斬らないようにね。
あと、サイコソフトを簡単に無くさない事!」
「……判ってるよ」
説教臭い言葉に歯向かわず、恭次は『Alexander』を受け取って、ソケットに装着した。
すると、隼那は『AEgis』を展開し、横を向いた。『Excalibur』で『AEgis』の先端を斬って貰う為に。
「よっ、と!」
恭次が『Excalibur』を構え、隼那の『AEgis』の先端を斬ると、『Excalibur』のみが消滅した。
「流石だな、七代目『AEgis』」
「そうね。何度か試してみましょうよ」
「うーん……パワー切れが怖いから、七回でいいか?」
「十分でしょう」
都合七回、『Excalibur』で『AEgis』を斬ろうとするも、全て、『Excalibur』の消滅と云う結果に終わった。
「検証としては、十分でしょう。
後は、パワーの消費が結構大きいものだと感じたわ。
恭次の方はどう?」
「中々にパワー消費してるな……。
後は、『エルサレム』で糖分補給をしてから、総一郎を迎えに行きたい!」
「一人で行かないでよね。私も行くわ。
でも、報告位はしておかないとね。
じゃあ、跳ぶわよ」
そう云って、二人はその場から居なくなった。
そして、二人でミニパフェを三つほど食べて、ミニイチゴパフェをテイクアウトでプラスチックの容器に収めて貰うと、総一郎を二人で迎えに行った後、テイクアウトしたミニパフェを夕食後に総一郎に食べさせるのであった。