第61話 フラクタル
世の中とは、不思議な形で成り立っている。
自分のオリジナルの考えだと思っていても、他に同じ発想を思い付く人も居る。
その可能性を無視したことが、あの京アニの事件の引き金を引いている。
皆さん、自分のオリジナルだと思ったアイディアが、他の人も思いついている可能性を考えて行動した方が良いと、俺は忠告する。
だから、アイディアは鮮度が命だ。
何故、同じアイディアを思い付くのか。
ソレは、確かフラクタルと言っただろうか?どの部分を圧縮・拡大しても、同じ形をしていると云う、相似性に関する意味を持つ言葉だ。
宇宙は、フラクタルで出来ている。但し、厳密に全く同じではなさそうだが。
だから、同じタイミングで赤の他人が、自分と同じアイディアを思い付く可能性も無視してはいけないのだ。
ソレを無視した例が、あの京アニ事件である。
苦労して編み出した概念だったのかも知れないが、同じことを思い付いた人も、もっと濃い密度で苦労して編み出した概念なのだ。
だからこそ、商標登録や特許、著作権と云った権利が許されている。
電話の発明も、確かギリギリで他の人が遅れて、似たような特許を取ろうとしたが、先に特許を取った者の権利が保証された筈だ。
特に厄介なのが、著作権だ。
何せ、著作した時点で、権利が保証されるのだから。
だから、京アニ事件に関しても、裁判で訴えれば、多少の罰金の支払い程度の判決が下りたかも知れない。
商標登録も、『そんな形で権利を主張しても大丈夫なの?!』と思える例も、恐らく多数ある。
もしも登録さえすれば無条件で商標登録が許されるとするならば、全ての文字を商標登録すれば、他の全ての商品に対して、商標登録違反で訴えて、罰金を請求する事が出来てしまう。
だが、実際問題、そこまでの商標登録は許されないであろうが、たった二文字の、ありがちな名前が商標登録された例もある。
出来れば、例えば五文字以上とか云う制限を設け、一般的に使われる単語は登録出来ない程度の処置は行って欲しいものだ。
それは、例えばたった二文字の一般的に使われる単語が商標登録された場合、このように長い文章を書いた時に、知らない人が記したら、商標登録違反と云う可能性を回避する為の案である。
商標登録違反は、犯罪であろう。
犯罪者を増やさぬ為に、必要な処置だと皆さんは思わないのだろうか?
『悪徳』と云う単語もある。悪が徳を積む行為に、間違ってもならないように、犯罪者が増える可能性を出来るだけ抑えて欲しいものである。
勿論、犯罪者は裁かれて罰を下される必要がある事は、言うまでも無いであろう。