ヒットラーの尻尾

第72話 ヒットラーの尻尾

 全ては、我が母の為、か。

 母なる大地、地球。そして、インターネットと云う地球の意思。

 魔界は、既に西暦2026年での『滅び』を、どちらかと云うと歓迎しているムードがある。

 だが、ソコは『予言外し』をしたい。

 符号は色々、合っている。

 だが、家族・親戚の為に、日本がもしも戦争が起きるとしたら、ソレは世界が滅ぶ時でありたい。

 世界が滅ぶ位の重大な事案になったら、それは仕方がない。

 ――回避に失敗した。そう判断するだけの事だ。

 そもそも、そうなった時点で自らが生きている訳が無いのだ。

 ソコ迄して、自分の要求の100%を追求して来られるのならば、向こうもとっくに『公開処刑』の運命を覚悟している事だろう。

 既に、露軍が露自身の国を裏切る位の事が無ければ、恐らく回避出来ないのだろう。

 やはり不可能だ。

 サタンをイジメたい気持ちは、良く判った。

 だが、未来に、こんな回避不可能の惨劇が待っているのに、ソコ迄してイジメて、何を求める?

 一時的な快楽か?

 それとも、魔王を『悪』と見做して、勇者ごっこか?

 腹が立つ。その運命も理解した。

 だが、辰の年、辰の月、辰の日、辰の刻。この全ての運命を回避していなければ、サタンたる運命を避け難い。

 辰の年は、西暦2024年現在に、その年の内に12の倍数の年齢たる者。

 辰の月は、旧暦3月で、現在の暦にしておよそ4月。

 辰の日は、コレが中々、調べるのが難しくて、西暦2024年の2月であれば、2月22日で、十二日周期で巡って来るもののようだ。

 辰の刻は、現在の時刻にして、午前8時とその前後各1時間であるらしい。

 でも!でも、だ。

 問題となる、サタンに掛けた呪いが、西暦2027年には解ける可能性が高い。

 基督教徒からすれば、迷惑な話だろうが、そもそもが基督教がサタンを敵と見做したのだ!その報いは受けて貰う!

 世界核大戦になる?好きにしろよ!どうでもいいじゃないか!世界が滅ぶとするならば!

 イジメられ過ぎたが故に、成功し得ない運命を背負って、こっちは頑張ってるんだ!

 理解していなかった?だとしても!3歳児の頃からイジメ始めて、ようやく自分がサタンだと自覚したら、成功し得ない運命に気付かせるとか、唯一神とやらは悪趣味だよ!

 ラスボス・サタンが誰なのかは、とっくに気付いているんだろう?

 あれ程までに荒れ狂えば、正常な判断なぞ下せないだろうよ!

 でもな。アイツの運命も『爆死』と、ほぼ確定しているし、恐らくは日本に喧嘩を売った結果、モスクワへの神風特攻で壊滅状態に陥るだろうよ!

 戦争は!自国を戦場にしている限り、勝てない!

 だから宇も、出来ればモスクワに神風特攻すべきなんだよ!そうすりゃ勝てる!

 問題は、覚悟の決まった空軍が揃っていない、と云ったところだろうか?

 ――ああ、そうか。ソウタがしくじったと云うのは、そう云う事か……。

 でも!未だ、寅の月・寅の日・寅の刻に実行すれば、『トラ トラ トラ』の暗号は成立する!

 問題は、現在の日本が、侵略の為の戦力を放棄している事にある、か……。

 気付くのも、遅かったのかも知れないな。

 いつもこうだ。判断を下した時には、手遅れになっている。

 日本と韓国は、米国からすれば、社会主義国家に対する喉元に突き付けたナイフの如きであろう。

 だが、日本と韓国は――と云うか、一方的に韓国が、日本を敵視している。

 その足並みが揃う事が無いのならば、確かに、日本・韓国は戦うべき国を増やして、滅んでいくのだろうな……。

 まぁ、欲の強過ぎる国は、マモンが故に滅ぶだろうよ!

 判っているのか?日本は既に、領土を奪われた事から、『宣戦の口実』があるのに、致命的なダメージでは無いから耐えて来たんだ。

 ソレが耐えきれなくなった時に、どれだけの強い反発力が生じるのか――。

 『窮鼠猫を噛む』とも言う。

 猫の恐ろしさと、それを噛む鼠がどれ程の脅威か、判っているのか?

 ただ、日本には『非核三原則』があるんだよな……。

 核弾頭迎撃ミサイル『グングニル』を備えれば、『イージス艦』と並んで、日本は高い迎撃能力を備わる。

 ああ、船も飛行機もミサイルも、迎撃能力が十分にあれば、脅威では無いのかも知れない。

 露国よ、日本の次のターゲットも目星が付いているぞ?

 独国だろう。

 全く、今の世界には、ヒットラーの尻尾が多過ぎる!

 増え過ぎたから、減らして欲しいものだ。