第19話 データベース1
交流会は、驚くほどのコツを昼姫に与える結果となった。
ソレラを、一度、ココでデータとして纏めておこう。
01.『輸送船型惑星』、初期から輸送船とその製法の情報を持っており、序盤から終盤まで満遍なく、トレードの支配権を握る。7~10%を基準に、手数料を取るのがコツ。
02.『人材型惑星』、初期から多くの人材とソレを食わせるだけの食糧生産は出来るが、人材の派遣や奴隷としての売却を行わなければ、まず勝てない。
03.『バランス型惑星』、ありとあらゆる物が十分に備わっている代わりに、勝利点倍率の高い産物を生産するにはかなり高度な腕前が必要。
04.『海洋型惑星』土地と海のバランスが、海の方に大きく偏っている惑星。真珠が良い取引材料で、ピーク寿命も長く、他にも海産物で主に儲ける。
05.『完全海洋型惑星』星そのものが海水の塊で、多少の不純物は混じっているものの、海水をトレードに出して不純物を取り入れ、人魚を誕生させるのが定石。
06.『鉱物型惑星』鉄などの鉱石を中心に、宝石も少し産出する。人口を増やすのが勝利への近道。勿論、食糧等も仕入れねばならない。
07.『鉱石型惑星』矢鱈滅多ら、宝石を算出する。人口を増やすのもそうだが、金銀プラチナをトレードで入手し、加工貿易でも儲かる。
08.『鉱山型惑星』鉱石や宝石を専用惑星に次ぐ生産を行なえる星。コツも、両者のコツを併せ持つ方が有利。
09.『食糧型惑星』人口に応じて、莫大な食糧生産能力を持つ。食糧生産の重要な星としての地位を確立させるのが近道。
10.『食料型惑星』炭水化物の生産では『食糧型惑星』に敵わないが、他の野菜類の生産ではトップに立つ。
11.『水産型惑星』海・川・湖での食料となる魚介類・海藻類の生産能力の高い星。嗜好品として、ソレラの価値の高さを築くのが近道。
12.『畜産型惑星』主に肉となる家畜の畜産で儲ける星。『食糧型惑星』『食料型惑星』から枯草を買い取り、肉をトレード材料にする星。
13.『果実型惑星』主に果実類を生産する専用の星。果実の価値を高める品種改良を行うのが近道。
14.『宙賊型惑星』主にトレードを行う輸送船を襲って荷を奪う専用の星。一部のマニアを除く、全員(割り当たったプレイヤー含め)から忌み嫌われる。稀に存在しない事がある。
15.『宙警型惑星』主に『宙族型惑星』からの被害を防止する為に存在する星。治安が高い程、感謝の謝礼で儲かる星。必ず存在するとは限らない。
16.『技術型惑星』全ての技術に対して、知識を蓄えている星。情報を売って儲け、中盤からは加工貿易にて儲ける。
17.『加工貿易型惑星』加工貿易を主として儲ける星。『技術型惑星』に、終始お世話になる。
18.『機械型惑星』機械の生産のノウハウを持ち、材料もエネルギー源も豊富な星で、様々な機械を受注生産して儲ける星。最終的に『シンギュラリティ』が目標。
19.『宗教型惑星』序盤の、信仰心を育てるのが役目の星。中盤以降は上納品で勝ち点を稼ぐ。序盤に相当頑張らないと勝てない。
20.『石油型惑星』石油が大量に産出される星。需要も多いので、勝ち易いが、調子に乗ると敵を作り、負ける点に注意。
21.『石炭型惑星』石油よりも序盤から必要とされる星。産業革命が起こった国からは、爆発的に儲ける事が可能だが、終盤に弱いと云う欠点を持つ。
22.『樹木型惑星』木材を中心に商材とする星。燃料としても使えたり、需要は多いのだが、勝ち点を稼ぐのが難しく、ビッグトレードに夢を見る星。
23.『通貨作成型惑星』宇宙共通の通貨を作る、専用の星。勝ち易いが、ペナルティを喰らわなければの話であり、実際にはほぼ必ずペナルティを受け、順位が沈む。定石が未だ無い。
とまぁ、こんなところだけれど、それぞれにマイナーチェンジがあったりして、全く同じ星でプレイする機会は無きに等しい。
一応、昼姫も全23パターンを経験している訳だけれど、唯一、『宙賊型惑星』を引いた際には、昼姫は老師・岡本に、『奪ってまで勝ちたくないです……』とボヤいた。
その際に、どの型の惑星でも、コレをすれば儲かると云う定石があって、ソレに従って昼姫は稼いだ。具体的に言うと、加工貿易である。
ただ、ソレにも『加工貿易型惑星』と云う専用の惑星には敵わないので、『宙賊用宇宙船』を輸送船化し、独自のルートでトレードすれば、それなりに戦える。
だが、やはり唯一の『悪事に走る』星であり、そのタイプの惑星はどのゲームに於いても、一つ存在しているかいないか位にしか存在しない。
ソレは勿論、良い星に力を与える為に、敢えて運営側が用意した『悪い星』なのだが、偶に、嬉々として略奪を繰り返すプレイヤーがいる。
それは例えば、『常勝無敗の7年間』の間の岡本もそうであり、プロからの引退の道を選んだのも、略奪が嫌になったからプレイが雑になり、負けたのが原因なのだ。
故に、岡本の『常勝無敗の7年間』は、彼の黒歴史であり、今は指導者の道を歩んでいるのだ。
昼姫が軽く触れて良い話題では無い。その位は、昼姫も気付いているらしかった。