アースSide

第42話 アースSide

 一方、アース、カメット、リックの三人は。
 
 日々、授業を受け、半ばサークルのような形でアースが講師となり、復習と実践を兼ねた活動を続けていた。
 
 そして、遂に、カメットとリックの『αシステム』のコアに仕込まれた『飛行』の制御ソフトウェアをアースの『αシステム』コアにコピーすることに成功していた。
 
 少しずつ練習し、今はもう限界はあるものの、自由自在に飛び回れるようになっていた。
 
 単位は十分に取れているし、あとは卒論を書けば、ほとんど卒業の条件を満たしてしまう。
 
 そして、アースには卒論に取り上げるテーマに、悩む程沢山のテーマを思い付いていた。
 
 コアの作成、立体魔方陣を描く技術、ソフトウェアを仕込む方法等々……。
 
 その中からアースは、コアの作成について、卒論を書くことにした。
 
 当然ながら、実際に作りながらで無くば、意味が無いので、作成実験のレポート、と云う形になってしまう。
 
 それに際して、カメットはムーン=ノトスから、一つ注意を受けていたので、それをアースに伝える事にする。
 
「コアを作るのは良いが、100%真球のコアを作らぬようにな」

「何故?」

「暴走してしまうらしい。ほら……以前、研究室が一つ消し飛んだ噂を聞いたじゃろ?

 アレは、限界まで100%真球に近いコアを作ろうとした結果、起こったものらしい」
 
「その情報は、誰から?」

「――ノトス殿、じゃ」

 隠すべき情報を一枚、切った。カメットはソレを、仕方ないと判断した。
 
「そう云えば、ノトスさんは教授なのに講師になっている科目が無いわね。

 是非とも、一度、受けてみたかったのですけれど……」
 
「スター殿の講義は受けたじゃろ。それだけでは不満か?」

「スター教授?それが、ノトス教授と何の関係が?」

「従妹、だと聞いた覚えがあるのじゃが……」

「へぇ。

 そうだ!ノトス教授の研究室に行って、直接教えを請いて貰おうかしら?」
 
「迷惑がられても知らんぞ?」

 アースはそんな言葉は無視し、人伝ひとづてにノトス教授の研究室に向かった。