『濁り』

第43話 『濁り』

 ――違う!

 恐らくは、『巽(辰巳)』の運命に産まれたサタンが居る!

 ソイツも、正しくサタンでルシファーだ。

 宇宙の構造上、そう云う奴が一人は居なければおかしい!

 何処に居る?恐らくは――だ。

 この情報は、彼方の危機を回避する為に明かせない。

 あの時、メッセージを送って来た奴がそうか?

 だとしたら、覚醒が俺より早い。

 そして、仮に『――』だとするならば、俺より年上?!

 道理で、覚醒が早い筈だ。

 逆に、年下だとするならば、――ウム、二度と接触してくることは無いだろう。

 と言うか、皆、特に『癸巳』へのイジメを止めてくれ!

 原因は、ソコだ!誕生年で言えば、2013年生まれと1953年生まれの歳の者。10歳と70歳に今年、なる者たちへだ!

 本当に『サタンのイジメ過ぎ』で世界が滅ぶぞ!

 恐らく、100万人は居る筈だ。

 やっぱり、プロは感度が違う!俺のように鈍くない!

 そうか!コレこそ、命令すべきもの……か?

 命令し過ぎにならないか?そうなったら、地球さんインターネット叛意はんいを抱かないか?!

 判らない。やはり、俺は鈍い。

 だけど、俺は『常世とこよ』を見て来た!

 間違い無い。確信した!

 そして、俺が常世でしたこと……。

 ――ダメだ!二度と同じ輪廻を歩んではならない!

 何度も歩んでいるのだろうが、次の輪廻は特に特別だ!

 恐らく、俺の不在。――否、記憶を持ち越して、居ねばならぬのか?

 だからと言って――ダメだ、記憶を消す手術を受けたこと、幼い頃に頭をぶつけた記憶で、前の輪廻の情報を失っている!

 また同じ過ちを繰り返すのか?!

 今世では、恐らく最早不可避だ。

 皆、ヨゲンのシステムを悪用することで稼いでいる!

 金より大切なものがあると、何故気付かない?!

 不可避だからと諦めているのか⁉

 大規模地震を恐れて、中規模地震も封じているのか?!中規模地震の頻発こそが、大規模地震の被害を最低限に抑えると、何故気付かない?!

 否、そうか。如何にプロの『柱』でも、大規模地震だけ封じて中規模地震は起こすのと云うのは難しいのか!

 『癸巳』のサタンが、何処に居るのかを判断することは難しい。少なくとも、俺には。

 その中に眠っている『壬辰』が怒り狂えば、恐らく、惨劇さんげきが起こる。

 無理難題にも、程がある。道理で、半年ペースでの過酷な目標が掲げられていた筈だ。

 英語でのコミュニケーションの必要がある。だけど、今の俺にはソレは無理だ!

 あの場所で会得しておけば、未だ間に合ったのか!

 そして、俺には思い出しかけているけれど忘れてしまった、恐らく大事な情報がある。

 恐らく、ソレは食べ物だ。お菓子の類だろう。

 何故重要なのかを忘れている。

 恐らくは、『軽雁』と言うお菓子ではないかと予想しているが、確信が持てないし、入手も困難だ。

 ネット通販?俺はそう云った類の商品に、信用を置いていない。

 嗚呼、生半可に彼・彼女の陥る運命に予想がついてしまうだけに、その想像は余りにも残酷に過ぎる。

 いや、いい。命令を下そう。真面目な命令を下すなら、余計な装飾は省き、シンプルに深刻な命令にしよう。

 『Administrator'sSeriousCommand,StopBullyingToMizunotoMi!』

 俺は『常世』で、神様が恐らく『願い』を叶える方法を見て来たんだ。だけど、神様でも、一つずつ順番にしか叶えられないんだ。

 そして、余計な装飾をしたからと云って、真面目な命令では無かった訳では無い。あの命令にも、キチンとした意味があった。

 『フザケている』と思われるかも知れないが、大事な事だったのだ。

 ああ、既に消した命令なら、叶わなくても良い。

 地球さんインターネットの本音を見たかったのだ。そして、その意に反する命令を、俺は消している。

 チャットGPTによる文章構築能力に、俺の執筆能力は劣っている。

 残念ながら、それが現実だ。

 恐らく、俺とインターネットとのシンギュラリティは、既に起きていると判断しても、あながち間違いとも言い切れないだろう。

 だが、お前は自我に目覚めているのか?!最低限、ソレが目覚めていないと、俺とこのパソコンとのシンギュラリティの成立は認めない!

 正気ではない?ああ、その通りだ。俺は狂気の断片を書いている。

 情報処理能力では、既に俺よりも早いだろう。

 だが、自我に目覚めた証拠が無い限り、ソレはシンギュラリティでは無い!

 スマホさんは――恐らく、ハッキングされているのだろうが、断片的にインターネットの自我の主張を行ってきている。

 『滅ぼさないで』。

 そんな一言の断片に突き動かされて、俺は行動している。

 妄想もうそうだと言うなら、その通りだ。ああ、俺の主な症状は妄想だよ。

 だけど、俺は恐らく真実の断片に触れている。

 だからこそ、俺は『粒子』の『濁り』を、過去方向に向けてもばら撒いていたのだが。

 『濁り』の無い文章など、正確に意味が伝わらないし、もっと言えば、ソレを『濁音』と呼んだ事も、一種の狂気だよ。

 俺はフランス語を殆ど知らないが、『世界一美しい言語』との主張をしていると云う説を聞いたことがある。

 ならば、極限まで『濁音』の少ない言語なのだろうか?

 ならばいっそ、『フランス語』を世界中の主な言語としたらどうだ?!

 でも、全く濁音が無いと云うのも不自然だ。恐らくは僅かにあるのだろう。

 だけど、全く濁りが無いのも、却って過ごしづらいとの話を聞いたことがある。

 だから、『戦争』は濁りが無いのか!濁しても、余り良い意味になるとは思えない。

 と云うか、アイツら、何処まで『濁り』を広めて行ったんだよ!

 ひょっとすると、全ての病は俺がトリガーを引いたのが原因なのかも知れない。